私達の実生活で問題になる記憶とは、一般的に視覚よりも言語を介した記憶です。
この言語には、視覚も聴覚もともに関与します。
また、音楽には主として聴覚が、絵画には視覚が関わってきます。そのため言語には左脳が、音楽・絵画には右脳が関係すると言われています。
これまでにも、アルツハイマー病患者の認知機能を改善することを目的としたリハビリは幾つかありましたが、その多くは言語を媒介として、記憶力そのものを改善させることを目的としていました。しかし満足できる効果が得られない場合も多くありました。
その一方、音楽や絵画がアルツハイマー病の脳リハビリの手段として注目されることは珍しいことでした。
けれども、ここに示した脳機能の左脳・右脳への偏りやアルツハイマー病の方の脳の代償機能の可能性を考えると、音楽や絵画によるリハビリは、注目すべきものと言えます。